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茶道(3) [茶道]

ニューヨークに勤務した頃(1980~1989)、マンハッタンにある裏千家道場を週末には訪ねた。お茶室は京都から派遣された棟梁により立てられていた。茶室は、不思議な空間だった。そこはマンハッタンの喧騒と人種のるつぼのど真ん中にありながら、世俗からは隔絶された世界だった。紅葉たけなわの季節には郊外にお茶仲間とドライブし、湖畔沿いにて、野点のお茶を楽しんだ。マンハッタンから北上したキャッツキル山中にある大菩薩禅堂金剛寺では、「茶と禅」が主催され、裏千家ニューヨークの山田先生ほかGlen宗清先生方等が参加された。座禅後の講話には、この禅寺建立に力を注がれた中川宗渕老師が、三島龍沢寺から馳せておられた。洒脱な人柄と英語・日本語を織り交ぜた語り口は、集った米国人を中心とする異国の人々を魅了しておられた。湖畔に座禅される姿そのものが、温かな圧倒的な存在だった。1984年に他界され、その分骨式が湖畔で行われた際には合掌に伺った。その日は、米国独立記念日。マンハッタン・ブルックリンブリッジにて行われた花火大会を観るために摩天楼に引き返し、夜空に繰り広げられる天体ショーにご冥福をお祈りした。
茶道3.jpeg


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